人間はなぜ空を飛べないのか

なぜ人間は空を飛べないんでしょうか。多くの人は「翼が無いから」と答えるかと思うけど、実はそれって間違いなんぢゃよー。
いやまあ完全に間違いとは言い切らないけど、でもほぼ間違いだと言っていいと思う。人間は、例え翼を持ってても空を飛ぶことはできません。じゃあ何で翼があっても飛べないのか。それは「大きすぎて重すぎるから」なのね。
翼で空を飛ぶには大きさの上限があるんですよ。翼の揚力は大きさの二乗に比例します。一方体重は大きさの三乗に比例する。だから、体が大きくなっていくと、ある時点でどうしても体重が揚力を超えてしまう。脊椎動物の場合はだいたい20kg前後でその限界が来ると言われてます。だから、体重20kg以下の子供だったらひょっとしたら翼で空を飛べるかもしれない。だけど大人はまず無理。

鳥が空を飛べるのは、小さいからです。小さくて、翼で何とか空を飛べるぐらいの軽さだから、空を飛べる。小さい鳥ほど有利です。大きい鳥だと、体に占める翼の割合を大きくしないといけません。ハチドリの体:翼比率と、鷲の体:翼比率を比べてみれば一目瞭然。鷲より大きくなると、もっと翼の割合を大きくしなきゃいけなくて、やがて体の100%を翼にしなきゃいけなくなって、そこが限界になります。人間はその限界を超えてるから飛べないのだ。
逆に十分小さければ、翼が無くても空を飛べます。例えば蜘蛛の子供は糸を使って空を飛ぶよね。あんな感じで。さらに小さくバクテリアぐらいになると、静電気力とブラウン運動だけで空中に浮かんでられるようになります。
人間が空を飛ぶには、翼と言うよりは凧の延長で考えるべきぢゃろな。凧なら軽く大きくできるから。その延長に固定翼のグライダーがあって、さらにプロペラつけると普通の飛行機になる。