グレーゾーン

犯行予告かどうか微妙なところの掲示板への書き込みで逮捕者が出てるという話に対しての私の解釈は、先日 Twitter に書いた以下の発言の通り。

raurublock : まあ「どこまで大丈夫かラインを見極めてやれ」的な行為はとりあえず逮捕するだろ、みせしめとして。その上で不起訴にする。

ああいう予告もどきって「ラインを見極めてやれ」って遊び感覚でやってるよね。警察側からするとそれが一番嫌だろうやっぱ。
日本では昔から、「危ういところには近寄らないよう空気を読んで行動する」のが日本人に求められる態度だったと思う。つまり、「みんなグレーゾーンには近寄らない」つう常識が日本人同士の間にはあったから、白と黒の間にはっきり線を引かない曖昧なままでも何とか社会が回ってた。はっきり黒の世界に住んでる人もいたけど、黒の世界には黒の世界なりの秩序があって、それは白の世界の秩序と明確に分離されてた。「曖昧な日本」は、そういう日本人の行動習性に支えられてた。
ところが最近はこの常識が崩れてきた。グレーゾーンの中まで入り込んで、どこまで一線を踏み越えずに進めるかっていうチキンレースみたいな真似事を面白がる空気が出てきた。そのため、今までは曖昧なままでも何とかなってたことに、はっきりラインを引かなきゃいけなくなってきた。もちろんそれが直ちに悪いことだとは言えない。ただ、伝統的な日本社会の構造とは明らかにコンフリクトする。
警察も日本人だから、グレーゾーンを曖昧なままにしたがる。つまり、恣意的な裁量のできる余地を残したがる。だから、グレーゾーンに近づこうとすること自体を見せしめとして逮捕して、「お前らグレーゾーンに近寄るな」てメッセージを送ってるわけだ。見せしめが主目的だから、ほんとに起訴して刑罰を課そうというつもりは多分無い。
と解釈したんだが、どうぢゃろ。まあ、官警の裁量の余地の大きい国だったら似たようなことって日本に限らずありがちだと思う。それはおそらく、日本が法治国家だったことは過去一度も無く、常に官治国家だった、てことを意味してるんでないかい。