人に聞くという情報収集手段

前に本家に dukeコントロールフリーク て話を書いてて、この辺りに絡むんだろうなあ。このTNさんやHSさんに情報を集めるスキルが無いわけではないと思う。ただ得意とする情報収集メディアが違う。TNさんやHSさんも「id:transniperさんに聞く」と言う情報収集手段は試している。「人に聞く」という手段に限って言えば、この二人は id:transniper さんよりもスキルが上かもしれない。

ウェブはあまり使わない。 (id:transniper)
TNさんとの会話でこのHSさんとの会話を思い出した。TNさんとHSさんの考え方の方向性は異なっているけれど、二人に共通して言えることは、二人ともウェブの使用を面倒だと感じている点。TNさんはウェブを使用すること自体に面倒くささを感じていて、HSさんはウェブを使用するために発生するかもしれないリスクによりウェブを使用することに面倒くささを感じている。だからといって僕は、こいつらまったく情報リテラシーがなくてだめだな時代の波に淘汰されてしまえ、なんて考えることも感じることもない。彼女らの考えはそれはそれで尊重するし。ただ、自分でいろいろ情報を集めてそれを分析し、そこから自分に必要なものを拾い上げていくという一連のプロセスを発動することで、人に聞かなくても自分で答えや情報を得ることができるのだという利便性は感じてほしいな、とは思う。何でもウェブに頼ってウェブウェブ万歳!のような態度もアレだけど、要はツールとして自分自身がウェブを使っていくことが必要だとは思う。あくまで使い手はこちら側、ウェブはツール。

人類が言葉を使うようになってからの数十万年の歴史のほとんどにおいて、この「人に聞く」と言う手段は、「知っていそうな人を人脈としてキープしておく」ことを含めて、情報収集において最も効率の良いものだったと私は見てます。人類の脳の機能もそれに合わせて進化してきた。一方10年ちょっと前から検索エンジンという新しい情報収集手段が登場して、これが恐ろしく効率が良いものだから、一部の人の間では大人気となり、知の高速道路とか持て囃されることになった。でもね、まだ10年ちょっとってのは、人類の進化の歴史から見れば瞬きする間ぐらいの一瞬なんですよ。一世代分ですら無い。検索エンジンによる情報収集に人類の脳が適応できているかって言うと、「できてない」と私は思うんですよ。世の中には、Google 向きの人と、「人に聞く」のに向いている人とがいる。
ついでにもう一つ。前々から思ってるんですが、伝統的な日本企業って、Google 向きの人に向いてないんじゃないですかね。検索エンジン使って自分一人で情報集めて業務を効率化できる人って、あまり出世しない。「人に聞く」スキルに磨きをかけた人の方が出世する。何故なのかってのはまた難しい話なんで duke にでも分析してもらおうと思ってますが。