餅を焼く気持ち

こういう境地、冷ややかだが愛情のある、怒るでもなく言うような心持ち。困ったときにもそういうものを持っていたい。

よしもとばなな公式サイト|日記|2009.03.24
仕事をしていたらチビが階下で大泣きしながら「死んじゃう〜、チビちゃん死んじゃうよ〜、ママ降りてきて〜!これ以上このままだと死ぬ〜!」とほんとうにつらいときの声を絞り出してのたうちまわっている。
なにか刺さったのか、腹でも痛いのかと思ってあわてて降りていったら、
「おなかがへった、これ以上細くなったら死んじゃう」だそうだ。
晩ご飯の時間に自分が工作に熱中していてなにも食べなかったのが原因である。
ものすごく距離をおいた気持ちで静かに餅を焼いて食べさせたら喜んでいた。
私の日記の中でもいちばん反響が大きいパートであるが、もう一度ヒントを書く。
もしも、この餅を焼いているときくらいの冷ややかな気持ち(もちろん根底には愛情がある)を持って、そして「ほら、お餅焼けたよ、自分が晩ご飯食べないからいけないんだよ、泣くことないじゃん」と怒るでもなく言うこの感じ、この感じをもしも好きな異性にもてたら、安泰である。