イラ

昨晩 Twitter でイラの話が出たので。
九州地方には、海で「イラに噛まれる」という表現があります。説明が難しいんだが、砂浜の海水浴場で海に入ると、波打ち際で何かに噛まれた/刺されたようにチクっと痛むことがよくある。それを「イラに噛まれた」と言う。関東の海水浴場ではそういうことって無いっぽいな。
通常九州人にとってイラは概念的にクラゲと異なります。クラゲに刺されるとミミズ腫れになるけど、イラはちくっとするだけであまり痕が残らない。たいていの場合クラゲは沖の方で刺されるけど、イラは波打ち際で噛まれる、つう差もあります。私の経験上、イラに噛まれるのは砂浜だけで、岩場から海に入ったときは噛まれることがありません。たぶん浅瀬が重要なんだと思う。
しかしこのイラが何なのかは、ほとんどの九州人は知りません。たぶん何かの生き物に噛まれるか刺されるかしてるんだけど、目をこらして見ても何も見えないので、よくわかってない。私も「大き目のプランクトン的な何か」だと考えとりました。なんとなくミジンコっぽいものを想像してた。
昨晩久々にイラという名前を聞いて気になって調べてみたら、どうもイラって、小さいクラゲみたいですな。アンドンクラゲという妙に触手の長いクラゲがいて、それが小さい頃にはよく波打ち際にいて、大きくなると沖に移動する。小さい頃は毒もあんまり大したことないので、触手に刺されてもチクっと痛むだけで痕が残らない。けど大きくなると結構毒も強くなるので、ミミズ腫れになってしまう、つう原理らしい。
でもアンドンクラゲ自体は関東にもいるので、なぜ波打ち際のイラだけ関東にいないのかってのはやっぱ謎のまま。