ブーケトスとガータートス
この記事にはブーケトスのことしか書いてなくて、それで「女性特有の」なんて話が出てくるわけだけど、本来これと対を為すと言われるガータートスについても解説せねばなるまい。
ブーケトスは人権侵害だ(AERA) - Yahoo!ニュース
そもそも、ブーケトスは花嫁の「自己防衛手段」だった。中世ヨーロッパで、結婚式当日の花嫁は、「最高にラッキー」とされ、参列者はドレスを引きちぎって、幸せのおすそ分けを持って帰ろうとした。ドレスを裂かれないために、花嫁がブーケを自分から投げるようになり、次第に「受け取った独身女性が次に結婚できる」と信じられるようになった。
日本で取り入れられるようになったのは15年ほど前だと、結婚関連産業で仕事をしている友人が教えてくれた。
最近では、花嫁が投げたブーケがあらぬ方向へ飛んでいったり、床に落ちたりするのを防ぐために、リボンを引いて、くじ引き方式でブーケが当たる「ブーケプルズ」という変形型もあるらしい。
でも、私は、このごろブーケトスにまつわるトホホな話をよく聞く。
〈独身女性の方は、前に出てきてください、とアナウンスがあっても、誰も出てこなくて場がシラけた〉
〈ブーケを誰も取ろうとせず、床に落ちた。花嫁が振り向く前に、あわてて誰かが拾った〉
男性の友人(40)からは、こんな意見も聞いた。
「何ていうか、女性特有の、見ていてウザい習慣。結婚を無自覚にすばらしいと決めつけて、未経験者にすすめてあげなきゃってハタ迷惑でしょ。男性が『家、買わないの?』って言われるのも一緒なんだけど」
我々の結婚式でもブーケトスやったんですが、式場の人の「届かずに途中で落ちると格好悪いから勢い良く投げて」とのアドバイスを真に受けて投げたところ、ブーケを取ろうと最前列で待ち構えていた女性陣の上を通り過ぎ、その後ろに立っていた女性の手にすっぽり収まってしまったのでありました。
さて、日本語版 Wikipedia を引いてみますと、ブーケトスって項目がありますね。その中にガータートスのことも説明されてる。
ガーター・トス
ガーター・トスとは花嫁が結婚式で左足に着けていたガーター(靴下止め)を花婿が未婚の男性に投げることである。ブーケ・トスと同じく後ろ向きになり背後を見ないようにして肩越しに投げる。この際、ガーターを外すのに花婿は花嫁のドレスのスカート部分に潜り、手を使わず口を使って外すものとされている。
この「口を使ってはずす」てのは実際にはそんなに行われてないらしい。いや、私も自分の結婚式プラン考えるに当たって英語圏のウェディングアドバイス系サイトをいろいろ読んだりしたんですが、「口を使って外すのはやめとけ」的なアドバイスが結構たくさんありました。まあそうだよね。
また Webalert.com の記事 によると、ブーケトスよりもガータートスの方が歴史として古いらしい。元々は、上の記事にあるように「ドレスを引きちぎられない」との理由で花嫁が自分でガーターを投げてたんだけど、「花嫁が自分でガーターを外す」というのはいろいろと宜しくない問題を生みがちだったので(特に列席した男性客が酔っ払ってるような場合)、「花婿が外して投げる」形になったんだと。それで花嫁は代わりにブーケを投げるようになった。んだそうな。14世紀フランスで成立したと説明されてます。