元弓道部員としては

槍の前にまず弓ぢゃよーと言わねばなるまい。源平の頃の武士はまず弓ぢゃった。那須与一とか。だいたい弓道は武士道よりも古い。鎌倉時代はまだ武士道という名前が無くて「弓馬の道」と呼ばれてた。武家の心得と言えば「弓・馬・礼」の小笠原流糾法ぢゃった。

武士というもの (極東ブログ)
本当の武士というのは剣にはこだわっていなかったのだろう。江戸時代でもいわゆる剣術は表向き盛んだったが、それに槍術が迫る。むしろ日本の歴史の戦場で役立ったのは槍術だろうし。

槍が武士に使われだしたのは鎌倉時代後期ぐらいからか。網野史観に従えば、貴族荘園体制に対する悪党の勢力拡大によって戦争のやり方自体が変化して、伝統的な騎馬武者による個人戦から足軽による集団戦へと移って行く中で、槍が使われるようになったんだろな。当時の武士はたぶんその悪党の系譜を強く引いてて、武士道つっても センゴク で描かれてるみたいな戦国武士道だったんだろうと思われる。
槍から剣へのシフトは、戦国時代が終わったので実際に槍を使う機会が減ったってのと、刀狩による兵農分離によって帯刀が支配階級のシンボルになったってのと、その辺とリンクしてるっぽい。

センゴク(1) (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク(1) (ヤンマガKCスペシャル)