議論巧者のテクニック

まあ朝日新聞が叩かれるのは仕方ないと思うんだけど

朝日新聞のダブルスタンダード (池田信夫 blog)
政府を批判するのも大企業に正社員化を求めるのも結構だが、自分のやっていないことを他人に要求するのは、偽善者というのである。

もし池田氏が「だから正社員化なんて必要無い」といういつもの持論に議論を誘導しようとしているんだとしたら、それはいいのか? それって「警察だって悪いことしてる、だから泥棒の俺も無実だ」と言ってるような論理なんじゃないか? ブックマークで尻馬に乗ってマスコミ叩いて喜んでる人も、それでいいのか?
思うんだけど、議論でのやりとりには、「より良い解決策に到達するための意見や指摘のやりとり」と「相手を黙らせて自分の主張を通すための攻撃」とがあるよね。ネット上で議論巧者と言われる人達って、後者ばかりが上手くなってる気がするんだが。そういうテクを駆使した攻撃って、切れ味良く見えるので、ネットでもてはやされたりもする。けど、そういう方向のテクばかり身につけた人同士の議論って、本当に問題を解決できるような結論を出せるんかね?
今回のこのダブルスタンダードに対して、「だから朝日新聞が筆頭になって正社員化を進めるべきである」と言うなら、なるほどと納得できる。けど「だから朝日新聞以外の大企業も正社員化など進める必要は無い」と言うなら、ちょっと待ったー、と私なら思うわ。それを敢えてどっちと言わずに朝日批判だけで止めるところが、池田氏の上手いところだよね。実に上手い。感心するほど上手い。上手いんだけど、でもそれって、どうなの?