RENT (第二幕)

前回の続きで、Youtube を活用しての RENT をお送りいたします。
第二幕はまず全員が一列に並んで Seasons of Love を歌うところから。そして New Year's Eve のシーン。ミミは麻薬から手を切って学校に通おうと決意し、ジョアンヌとモーリーンは喧嘩をやめてやり直すことに。でもベニーがやってきて(ベニーとミミは昔つきあってた)、ミミとロジャーの仲が壊れかけて、結局ミミはまたヘロインを買ってしまうと。
では、その次のシーンの、モーリーンとジョアンヌの二人が歌う Take Me or Leave Me をどうぞ。これはたぶんNBCの番組で流れたものの録画かと。劇中ではバレンタインデーの出来事とされてます。モーリーンは歌手なんですが、バイセクシャルで、しかも浮気性。もともとマークの恋人だったんですが別れて、レズビアンジョアンヌとくっついたは良かったが、それでも浮気し続けるものだから、やっぱりジョアンヌとも喧嘩し続けて、「これが私の本性だから」と開き直って歌うのがこの歌。
ちなみにこのビデオをポストした Akitarent さんですが、Akita ってのは、ベニーの飼っていた犬(つまりエンジェルが殺しちゃった)が秋田犬だった、という話から来てるそうです。La Vie Bohem のとこで "Who died?" "Our Akita" "Evita" ってやり取りがあるんですが、最初この歌を聞いたとき Akita が何のことだかわからず、さんざん調べました。アメリカでは秋田犬を飼うのってヤッピーの象徴と考えられていて、つまりベニーが(ボヘミアン魂を売り払って)ヤッピー階級として暮らしている、という表現の小道具なんですな。
http://youtube.com/watch?v=JRJGCsjJ27o
次は Without You のシーン。麻薬と手を切れないミミは、ロジャーに隠れて麻薬を買いに行き、ロジャーはそれをミミがこっそりベニーと逢っていると勘違いし、というわけで、悲劇へと転がっていくことになります。そこでミミが歌うのがこれ。この歌の裏で、エンジェルはエイズがいよいよ進行していきます。個人的には一番の泣き所かと思った。
http://youtube.com/watch?v=RDKkR7IXU2E
次は、出典がよくわからないんですが、エンジェルが熱唱する Contact のシーン。この 歌詞 とか見ると、1996年当時にいろいろ物議を醸したというのもさもありなんかなと。友人がニューヨークで留学生仲間達と RENT を見に行ったときも、国によってはこのシーンに露骨に嫌悪感を示す人も結構いたそうで。わたしゃまだこの歌詞の解釈に自信が無いんですが、やはりこれは HIV 感染の経路としての Concact を意味してて (だから Rubber とか Fluid とか出てくる)、しかもそれを肯定してる、と取るべきなんですかね? 最後みんなが It's over と言いますが、これがエンジェルの死になります。
http://youtube.com/watch?v=EddRUtI6OAU
ハロウィーンに行われた葬儀のあと、マークは友人をエイズで失う恐怖から気を紛らわせるために Buzzline 社に入って仕事に没頭するようになり、ロジャーはニューヨークを出てサンタフェに行くと言い、大喧嘩になって、さらにミミにも暴言を吐き、ミミはベニーと出て行く。でもそれは実はミミが死ぬのを見るのが辛いからなんだ、とマークに打ち明けると、それをミミが陰から聞いてて… この辺はラ・ボエームのプロットそのまんまやね。
そしてクリスマスの夜、ベニーが面倒見れなくなってホームレスになってしまったミミが、瀕死の状態でロジャーの元に連れられてくるシーンを、また映画版からどうぞ。ロジャーは、ミミへの想いからようやく自分の歌いたい歌が見つかり、熱唱する。一般的にはこの Finale A / Your Eyes も泣き所とされてます。ただ次のシーン Finale B があるので、個人的にはどうも…
http://youtube.com/watch?v=BFmr--eKQ7w
その Finale B の方。うううううううううむ。それって、どうなのかなあ、とか思ってしまうのは私だけかい。オペラは悲劇で終わるべきで、ミュージカルは楽しく終わるべき、とゆうことなのかなあ。このシーンがあると予習してたもんだから、Finale A で泣けなかったとゆうか。とは言え、皆で No Day But Today を歌うのは良いです。
http://youtube.com/watch?v=vPKPhjzKMSk
ちなみに、下敷きとなったラ・ボエームについては、のだめ的なあらすじ もご覧あれ。