ラファウ・ブレハッチ

2月14日に初台の東京オペラシティで開催されたラファウ・ブレハッチのピアノリサイタルを聴いてきました。
びっくりしたこと: ブレハッチ君っていつのまにかアイドル級の人気になっていたんだねえ。25年前のブーニンがたぶんこんな感じだったんだろうと思う。タケミツメモリアル満席だし、サイン会には長蛇の列。アンコールが終わったら中年のご婦人らが立ち上がって拍手してたりとか。
おおっと思ったこと:入り口でプログラムと一緒に「音楽を心地よく聴くために」っつうマナー小冊子が配られとりました。紙袋は音を立てやすいので注意しようとか。私も薄々感じてたし日記にも聴衆マナーについて文句を書くことがここ数年多くなっていたのだけれど、やはり聴衆マナーの低下は問題視されるレベルに来ているのだなあ。 それを象徴するかのように、我々の隣に座っていた親子4人連れのうち父親+子供2人がやたらとゴソゴソ音を立てていて、たぶんお母さんがファンで残り3人はさほど興味もなく連れてこられたのであろうと想定されるけど、いまいちだった。
音楽的な話: ブレハッチ君の演奏を生で聴くのは今回が初めてだったんですが、英雄ポロネーズの演奏がCDとだいぶ違うように思った。CDでは一音一音をはっきり弾く感じで、ペダルも控えめな印象があって、「これがポーランド的なんかのう」とか思ってたんですが、今回の演奏はむしろ流れるような感じでテンポも速かった。ちょっと意外。
シマノフスキという作曲家は、ブレハッチ君のCDでしか聴いたことがなかったんですが、今日のブレハッチ君にとっては多分これがメインだったんだろうなあ。すごく気合が入ってた。椅子に座ってから弾き始めるまでの精神集中も長かったし。そのせいか良かった。変奏曲っていろんな感じのが次々に聴けるしでも一貫してるものもあるので、リサイタル向きだわな。
あとはやっぱ月の光が良かったなあ。妻はアンコールで月の光をやるって予想してたらしい(言われてみるとCDにも入ってる)。私はそこまで予想してなかったので不意打ちだった。