自律神経失調症

例の 首のコリを治せば自律神経失調症の9割が治る て話なんだけどさー、そもそも自律神経失調症てのがまともな病名とは言いがたくて、結構いい加減な話ぢゃろ。最近ニセ科学撲滅派の牙城と化しつつある 日本語版Wikipedia だとこんな説明がされてる。

自律神経失調症
日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されている。ただし、この病気は日本では広く認知されているもののDSMでは定義されていない。
(中略)
また、原疾患を特定できない内科医が不定愁訴などの患者に対し納得させる目的でつける、と言う否定的な見解もあり、内科で自律神経失調症と診断された場合は心療内科・精神科などでカウンセリング・投薬治療を受けることを勧められている。

要は「原因不明の不定愁訴」だよね自律神経失調症って。ほんとに自律神経が原因なのかすら定かでない。
んで、どこまでを自律神経失調症を呼ぶかも医者次第なんで、例えば東京脳神経センター(なんか立派そうな名前だけど実は単なる私立病院です)が「首のコリで治った患者だけ自律神経失調症だったと後付けで診断」しちゃえば、治癒率100%になるわけですよ。
まあ実際はいくらなんでもそこまでのズルはしてないと思いますけど、不定愁訴には暗示(プラセボ)がよく効くので、単にそれだけの話なんじゃないかなあ。二重盲試験でほんとのプラセボと比較するぐらいはやって欲しかった。
なんて言うかさー、東京脳神経センターの施設の特徴がいかにもニセ科学っぽい書き方になってて、確かにニセ科学的に断言した方がプラセボが効くってのはわかるんだけど、私はどうにも好きになれんなあ。この辺は、「プラセボで患者を楽にするためだったらニセ科学が許されるのか」て話にもつながるんだが。