警察による賠償

前々から思ってるんだが、「賠償==自分が悪いということを認めた」つう図式が良くないと思う。賠償てのはコストなんだすよ。警察が治安を守るためには、どうしても一定確率で間違いが発生する。もちろん確率を下げる努力は必要だし、例えば「灰色なら無罪」てのもその間違いを下げるための方策の一つなんだけど、たとえ完璧に業務を遂行してたとしても間違いをゼロにしろってのは絶対無理。コラテラルダメージとしての犠牲が出るのは仕方ない。そのときに運悪く犠牲になった人の受けたダメージを回復する措置が国家賠償だ、と見なすのがいいんじゃないか。

たまには警察の味方もしたくなる (Matimulog)
振り込め詐欺の疑いがある口座を凍結したら、濡れ衣だったということで、国賠が認められてしまったケースである。

んでもって、警察の予算には一定の賠償費を予め積んでおくべきだと思う。あるいは賠償保険みたいなのを保険会社に引き受けてもらって一定の保険料を払う、てのでもいい。それは警察が悪いからじゃなくて、不可避的に発生するコストなんだ、市民の治安を守るためにはそのコストも税金で負担しなきゃいけないんだ、てことを我々も理解すべき。
裁判のやり方も改めるべき。現状だと警察に過失があったと証明された場合にのみ賠償が認められるけど、警察に過失が無かったが不可避的に犠牲が発生した、という場合でも賠償が認められるべきだと思う。国賠の閾値をもっと低くしよう。そしたら警察も「賠償を払うことは恥だ」とか考える必要は無くなる。むしろ、賠償を払ってでも遂行すべき職務をガンガン進めてるんだ、てことを誇りに思って欲しい。