英語で何を伝えたいのか

これは結局「何を伝えたいか」次第だろうなあ。「自分が怒ってること」を伝えたいなら、日本語を気合でまくし立てるほうが通じる。これが「日本で死刑制度を存続させるべきと考える理由」を伝えたいんだったら、もうちょっと別のアプローチが必要ぢゃろね。

伝えようとする言霊力 (id:takerunba)
ああ、もうねえ、英語なんて気合ですよ。気合一発。それだけですよ。

ところで、「英語ができるようになりたい」という話はよく聞くし、その手のテクニックを解説するエントリはホッテントリ入りしやすい。でも私はそういうのに全然興味が無いんすよ。重要なのは「英語を使って何をしたいのか」であって、その必要性に応じたテクニックを身につければいいと考えてるから。例えば過去20年間の私に必要だったのは、ほぼ英文読解、あと作文がちょろっとだけだったので、それに最適化されたスキルを身につけたし、それで満足してる。会話には今のところ興味が無い。だって会話する必要が今のところ無いから。必要になったら、たぶん会話できるようになる。英会話を始めるのが60歳を過ぎたとしても、必要に応じたレベルなら確保できる自信はあります(やや自信過剰)。
もし英会話できるようになりたいなら、まず「自分は会話で何を伝えたいのか/何を伝えなきゃいけないのか」と自問自答してみた方がいいと思うのだ。伝えたいものが本当に自分の中にある? 伝えたいものがはっきりあるなら、それに適したアプローチを選べばいい。でももし伝えたいものを思いつかないなら、英会話習得への道は険しいぢゃろうね。
日本人が英会話を苦手とする最大の理由はここだと思うんぢゃよー。大半の日本人は「伝えたいもの」を持ってない。日本人にとって言葉ってのは、意図を伝達するツールじゃなくて、自分が同じ集団の仲間であることを示す敵味方識別シグナル なんぢゃよね。英会話を身につけたいのも、何かを伝えたいからじゃなくて、「英会話できる組」の仲間入りがしたいから。それだと難しいと思うんだよなあ。
タケルンバ卿の言うように「伝えようとする意思」を持つためには、その前提として「伝えたいこと」が無くちゃいけない。「自分でも何を伝えたいかわからない」状況だと何語だろうと通じない。まあ当たり前だよね。でも、日本人同士が日本語で会話してる状況でもそういうことって結構あるよ? 日本人は「自分が何を伝えたいかわからない」ままに何となく会話して何となく生活することに慣れきってしまってる。そこを何とかすべきなんじゃないかと私は前々から思うちょるんですよ。