ネット古文

「リア厨」て言葉が当初は自虐ネタだったって話を読んで思ったのだけど、ネットの世界ってスラングの意味があっと言う間に変わるよね。人間の言語の変化は速く500年から600年後にはほとんど理解不能になる てな話もあるけど、ネット用語はもっと早い。20年もしないうちに、理解不能とまでは言わなくても致命的な誤解を生じさせるぐらい変化するんじゃなかろうか。例えば20年後の20歳の人たちは、KY だの wktk だのって、たぶん理解できないよね。ネット技術によって我々は爆発的な量のテキスト情報を生み出せるようになったけど、それは生み出された端からどんどん利用不能になりつつあるのかもしれない。
例えば Oxford English Dictionary なんかは単語について古い文献での用例を挙げてるので何年頃はこの語はこういう意味だったとか言う読解にも役立つ。50年後ぐらいに「2005年頃の日本文化を研究するために当時の掲示板を読んでみましょう」とかいうときには、そういう解読ガイドが絶対必要になるんじゃないかと。その頃には、紙の辞書じゃなくて、もっとなんか高度なツールがあるなと思うけど。
OED 編纂者より楽だと思われるのは、掲示板や blog みたいに日付付きのテキストデータが山のように溢れてるという点。これを回収してきて、年代毎のコーパス作って、用例集をまとめる、ってのを大規模に自動化して実行できるぢゃろ。