ニセ科学脳

私の記憶が確かならば、角田忠信の唱えたこの日本人独自の右脳左脳の違いって、さんざん追試されたけど、再現性が無かったから、大脳生理学の世界では「信憑性が薄い」としてまともに扱われてないはず。

マンガ脳 (内田樹の研究室)
とりあえず脳科学について知られていることをおさらいしてみよう。
角田忠信によると、日本人は鳥の声や虫の鳴き声も言語音として左脳で処理している。
欧米人は「言語」と「音楽」は別の脳内部位で処理する(言語は左脳で、音楽は右脳で聴く)。
だから、だから、欧米人は音楽を聴いているときに、人間の声がきこえても、「邪魔にならない」。
人間の声は音楽に「割り込まない」からである。
しかし、日本人の場合は、交響楽の演奏中に鳥の声が聞こえても、蛙が鳴いても、「音に穴が開く」。
それは鳥の声や蛙の鳴き声と音楽を日本人は「言語脳」で聴いているからである。

でもこの話って30年経ってもいまだに信じてる人が多いんだよね。「日本人は世界でも情緒豊かな独特の民族」っつうファンタジーを補強してくれるからなんかなあ。
いやもちろん、追試した人がみんなやり方悪かっただけで、ひょっとしたら角田説が正しいのかもしれん。けど今の時点では信憑性は薄いと見るべきかと。誰か追試に成功した人がいたら教えて。茂木健一郎とか追試してくれんかな。
ところで、以前 Rauru Blog で紹介したんですけど、脳MRI画像を貼り付けると記事の信憑性がアップする つう話があるので、この記事でも応用してみます。さあ信じろ。でも画像に限らず、「脳科学ではこういうことが知られている」とか書くと無批判で信じちゃう人が多そうな気がしてきた。
脳MRI画像