リン鉱石

いや、ダイヤモンドだから多少割り引いて読む必要はあると思うけど。それでも凄い話だなこれ。

店頭から国産野菜が消える? 米・中が肥料の輸出を実質禁止 (ダイヤモンド)
化学肥料の原料であるリン鉱石の世界最大規模の輸出国である中国が実質的な禁輸措置に踏み切ったのだ。
今年4月、中国は化学肥料の輸出関税を100%と大幅に引き上げ、翌5月にはリン鉱石の関税も100%に引き上げた。
13億人という世界最大の人口を養うべく自国の農業向けにリン鉱石を活用するように方針を変更したためで、実質的には禁輸措置に近い。
肥料の3大要素といえばリン、窒素、カリウム。この3つがなければ日本の農業は成立しない。にもかかわらず、日本はリン鉱石の全量を輸入に頼っており、その多くを中国に依存。もともと、危うい立場にあった。

知らなかった。食糧自給率向上という考え方自体が最初から砂上の楼閣だったってことだよね。なんともはや。
下水処理からリンを回収する技術の実用化と展開が急務だなあ。検索してみたらこんなのが出てきたよ。

リン回収再資源化技術およびその応用技術の開発 (広島大学)
リンはあらゆる生物にとって必須の元素であり、人類が食料を生産し生命活動を営むために、絶対に欠くことができない貴重な資源である。人口の増加やそれに対応する多肥料農業への変化を予測に入れると、現在の採掘コストでまかなえる品質の良いリン鉱石の埋蔵量は、世界規模であと約40〜50年に過ぎないと言われており、また採掘コストが数倍かかる地下資源を含めても100年ほどで枯渇すると予測されている。
わが国の下水処理場における余剰汚泥の発生量は、年間約170万トンと言われており、その中に含まれるリンは、日本が輸入するリン鉱石のリン量にほぼ匹敵すると言われている。余剰汚泥からのリン循環再利用システムを逸早く確立することができれば、地球的規模でのリン資源枯渇の危機回避に貢献できるばかりか、国内における水域の富栄養化による環境破壊の防止にも大きな効果が期待できると考えられる。