自己志向/他者志向
私は DQN という言葉/呼び方が本当に大嫌いなので自分ではなるだけ使いたくないのだけれど、この萌え理論の2年前の指摘は正鵠を射ていると思う。
男は女一般を愛し、女は女自身を愛するという決定的な違い (id:sirouto2)
例えば、オタクは自分の趣味を笑われることに耐えられない。自分(男同士)で自虐的に笑うときにのみ耐えられる。その点、全く対照的なのがDQNだ。DQNは特に彼の属性が優れていなくても彼女を見つけてくる。DQNは自己中心的に見えながら、本質的には他者指向である。だから、自分が傷つくのも構わず殴りあう。自分がバカだということをネタにして男や女を笑わせられる*3。ナンパして見向きもされなくても打たれ強い。オタクのような自意識を大切にしつつ馴れ合いましょうという発想がない。もう少し言うと、オタク的なコミュニティが標榜する繊細な優しさが、各自が自分を大切にして傷つかないためのものであるのに対して、DQN的なコミュニティは、各自が自分を大切にしない暴力的な機制によって、相互に相手のためになることを標榜する組織である。
正直、前半の男女差の部分はどうかなあと思わんでもなかったけど、このオタクとDQNの差についての指摘は見事。オタクがDQNを毛嫌いする理由も綺麗に説明できる。自分を傷つけるから嫌いだという点はもちろんあるが、お互い傷つけあってでも他者と関われることに対する密かな羨望が混じっているんじゃないかとも思う。
ふと、大平健の やさしさの精神病理 を思い出した。
- 作者: 大平健
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1995/09/20
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