一十郎とお蘭さま (高見まこ)

南條範夫原作の時代小説を高見まこが漫画化し、コミック乱に連載中。来月はいよいよお蘭さまが妾に… という展開なのでいろいろと複雑な気分。
越後村松藩藩士の欅一十郎は、戊辰戦争の官軍がやってくる前に藩主側室のお蘭さまとその息子(お世継ぎ)の護衛となって逃がす役目を負う。一十郎は以前お蘭さまの美しさに一目惚れして以来ずっと慕い続けてきていて、この逃避行の道中もお蘭さまに献身的に尽くすが、身分の差を越えるようなことは一切しない。明治維新により藩主が倒れて頼る先を失い、身内にも裏切られて金を盗まれ、貧乏に苦しんだ挙句、お蘭さまは伊藤博文渋沢栄一といった元老・豪商達の愛妾となって生きることを選ぶ。それでもお蘭さまを慕い続ける一十郎…
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南條範夫シグルイの人で、と言っても凄惨な殺し合いという話では無いので安心めされい。その代わり、お蘭さまの振る舞いが一十郎にとって本当に残酷。お蘭さまも悪気があるわけじゃなく、ただ現実をそのまま受け入れているだけ。なんだけど、というかだからこそ、辛いわな。

一十郎とお蘭さま (文春文庫)

一十郎とお蘭さま (文春文庫)

しかし私もよくもこんな漫画を読み続けていたものだなと思う。あと コレラの時代の愛 とか。去年の私はいったい何を感じとっていたのか。