教皇のブラジル訪問


ローマ法王がブラジル訪問 中絶賛成派は「破門」も (東京新聞)
AP通信によると、法王はブラジルに向かう機中で記者団に、最近メキシコ市の議会で妊娠中絶の合法化に賛成した議員は破門されるべきだと主張。中南米各国で進む中絶合法化の流れに強く反対する意向を強調した。
は、破門かよ。ほんまかいなと思って調べてみた。CNNの記事だと

ローマ法王がブラジル訪問 カトリック影響力の回復が狙い (CNN)
法王はブラジルに向かう途中、同国の公用語であるポルトガル語で、メキシコ市議会による先月の人工妊娠中絶合法化に強い反発を表明した。中絶はカトリックで教義に反する行為と位置づけられている。関係者によると、法王はメキシコの聖職者が、中絶合法化に関与した政治家らを破門したと認識していたもよう。
ほほう、状況は微妙に違うようだな。さらに調べてみると、TIMES の記事がひっかかった。

Pope Delivers Tough Abortion Message To Mexico (TIMES)
ブラジルに向かう飛行機の中で教皇は、メキシコシティー教会関係者から、中絶を支持した議員を破門することの是非についてコメントを求められた。教皇は「それは何も新しいことではなく当たり前のことだ。教会の教義から明らかだろう」と答えた。同行した記者はこれを、中絶支持の議員は破門されるべきだ、とのコメントだと解釈した。
しかしその後バチカンは公式声明を発表し、「教皇は自ら中絶支持議員の破門を宣言するようなことは無い」と名言した。その理由は「破門は教区の司教によって宣言されるべきもの(ローマ教皇はローマ司教区の司教)」だからだそうな。また「中絶支持議員がすでにメキシコの司教によって破門済であったと誤解していたかもしれない」とも語っているらしい。
なるほぞ、そーゆーことなら納得できる。
あと、朝日新聞では

ローマ法王、いきなり中絶批判 ブラジルに到着 (朝日新聞)
保守的なバチカンの方針と人々の暮らしや価値観の隔たりは大きく、信者の割合が急速に減っている。
(中略)
民間調査機関「ダタフォーリャ」によると、80年にブラジルの人口の89%を占めていたカトリック信者の割合は、現在64%まで低下している。
とあって興味深いのだけど、この減った25%がどこに行ったかというと、どうもプロテスタントらしい。前述の TIMES の記事によると、プロテスタントによる精力的な布教へのカトリック信者の流出を our biggest worry と表現したのだそうな。まあ中絶問題ではカトリックプロテスタントも大差無いのかもしれんけど、少なくともコンドームは許可してるからなプロテスタントって。