ニコラス・G・ハイエックセンター

ハイエクと言えば池田信夫氏ご贔屓の経済学者のアレしか知らなかったんだけど、スウォッチグループの会長もハイエクつう苗字なのね。 Richat でチョコレート買ったあとで中央通りを歩いてたら面白げな建物があったので入ってみたのがこの ニコラス・G・ハイエックセンタースウォッチグループが去年5月にオープンしたビルだそうな。
一回には7つのガラス張りブースがあって、それぞれ Swatch や Omega とかのスウォッチグループ傘下の時計ブランドのショースペースになってる、と見せかけて実はそれぞれがエレベータにもなってて別フロアにあるブティックにつながってる仕掛け。油圧ジャッキでうにょーんと上っていく光景は結構おおっと思う。冷やかしに Swatch と Blancpain のブティックを見てきました。

Swatch のブースはガラスの壁一面にスウォッチが貼り付けてあるキッチュなつくり。このブースごと地下に降りてくと、さらに多種多様な腕時計が飾られてるブティックに出ます。高くても数万円で買える Swatch はお手ごろでよろしいですね。まあ私は携帯があるから腕時計使わないんだが。それでも 007 Villain Collection にはちょっと目を惹かれた。Dr. No モデルとか Le Chiffre モデルとかの腕時計があるわけですよ。もちろん映画の中でそういった悪役がこの腕時計をしてたってわけじゃないんですが、後から悪役をイメージしてデザインしたという位置づけ。中でも Blefeld's Cat モデルが。これは「007は二度死ぬ」などに出てきた悪役ブロフェルド、が常に抱いてるあの白いペルシャ猫をモチーフにしたんだそおな。肉球マーク入りだぜよ。

続いては老舗高級時計ブランド Blancpain を。ブースは重厚なマホガニーの壁に腕時計が一つだけかかっているという渋い作り。ブティックも似たような感じでした。「1735年の創業から270年以上、伝統のムーブメントにこだわり、一度もクォーツの時計を製造したことがない」のが売りらしい。こちらは最低でも数十万円、高いのだと1200万円なんてのまで飾ってありました。ギャラリーフェイク に登場した 1735 の親戚だなきっと。後から調べてみたんですが、ブランパンは70年代のクォーツショックをもろに受けて、日本語版Wikipediaだと「休眠状態」に、英語版Wikipediaだと "nearly bunkruptcy" になってたのを、オメガに買収され、さらにオメガがスウォッチに買収されたというわけで、今はスウォッチ傘下の超高級腕時計部門なのだそおです。ロレックスは流れ作業で日産2,000個の時計を生産してるけど、ブランパンは一つの時計を一人の職人が最初から最後まで作る方式なので日産20個ちょっととからしい。時間を知りたいならやっぱり携帯で十分なんではありますが、こういう時計は実用品じゃなくて美術品や投機対象なんぢゃろうのう。