電子ブックリーダの生きる道

これは納得できる。しかし、これを逆手に取って電子ブックリーダの利点とすることもできるのでは。

妻が発見! 電子書籍リーダーに欠けてるもの。 (Gizmodo Japan)
それは、本の香りでもなく、質感でもなく、ページをめくる感覚でもありませんでした。もちろん、多少はあったらいいなーと思うけれど許容範囲。それとは比にならないぐらい、恋しく思ってしまったものがあったそうです。なんと、本の厚さでした。この厚さという触覚フィードバックが無いと、どのぐらい読んだのか? あとこの先どのぐらいの物語が残されているのか? を感じることができず、不安になるそうです。例えば、『プライドと偏見』を読んでいて、Mr.ダーシーとリズが関係を築きはじめるために、十分なページ数はあるの? とか。

この欠点がどういうケースで利点に変わるかと言うと、ずばり推理小説。例えばまだ本の厚さが半分以上残ってる状態で「決定的な証拠」なるものが見つかって事件が解決しそうになった場合でも、多くの読者は「でもまだ半分以上残ってるよね」と意識的ないし無意識のうちに気づいてしまう。でも厚さが見えなければ、その方向から情報が入りにくくなるので、そういうディストラクションを防ぎ易くなるんでは。
他にもいろいろアイデアがありそうに思う。そんな感じで、紙の本と電子ブックにはそれぞれ違うメディア特性があるわけだから、それぞれの特性を生かすように独自の進化を遂げるといいんじゃないか。