機能性胃腸障害

安倍 would-be 前首相が診断された機能性胃腸障害、またの名を機能性胃腸症ですが、あまり馴染みの無い病名だったので、どんな病気なのか調べてみました。

機能性胃腸症 (メルクマニュアル/万有製薬株式会社)
上部消化管に由来する症状だが,病的な状態が存在せず,あるいははっきりせず,または,存在したとしても臨床状態を説明するに足る所見が得られない状態。

なるほど。「よくわからん」とゆうことだな。すごくわかりやすい。
ちなみにメルクマニュアルでは以下のように続きます。

プライマリケアの場では,機能性胃腸症患者は多く,消化器専門医への紹介患者の30〜50%を占める。紹介元の医師と消化器専門医の双方が,機能性胃腸症を理解するのも治療するのも難しいと考えており,こうした不確かさゆえに,イライラしたり,批判的態度をとったり,生物学的原因を探ろうとして不適当な検査を指示したりする羽目になる。
通常,組織病理学的異常は見つからない; もし見つかったとしても,それは症状とあまり一致しない。生理的活動の変化(例,症状のあるびまん性食道けいれん[20章参照],過敏性腸症候群[32章参照])や,患者が正常の生理的機能をやたら気にし過ぎたり(例,心気症患者の腹鳴),または心理学的病変(転換障害,うつ病の身体症状化)を示唆する証拠もある。多くの患者で,これらの複数の要因が関係している。機能的あるいは非特異的症状は,医学でいう病気(例,消化性潰瘍,食道炎)によっても起こるが,心理学的または文化的要因も症状に大きく影響している。それが診断を難しくしており,医学的治療だけでは不十分である。
病因に関係なく,症状の体験や報告は,患者の個性や病気の心理的意義,および社会的文化の影響により様々である。吐き気や嘔吐の症状は,極めてうつ状態の患者からは最小に見積もられたり,遠回しにあるいは奇怪にすら報告され得るが,大袈裟な患者からは危急存亡のごとく表現されることもある。苦しみながらも,ある患者にとっては病気は何かしら心理的要求を満たすものである。また,こうした慢性的な病は,なぜこれらの患者の多くに予想外の薬の副作用が現れたり,治療に抵抗性があるように感じられたりするのかという疑問に対する説明の助けとなる。結局,文化的影響が症状の報告のしかたを左右しているのかもしれない。

うううむ。患者の置かれている状況そのものぢゃのう。一方治療方法については、

不可解な訴えのある患者には,病気の心理社会学的側面を考慮して,患者に適応した臨床的アプローチがなされるべきである(185章参照)。
病歴は開放型のインタビュー形式で聴取すべきである。医者は症状の所在や特性をはじめ,いつどこでそうした症状が起こるのか,悪化や緩和の要因,ならびに関連する症状をも特定しなければならない。
心理的ストレス要因の役割を考慮されなければならない。こうしたデータが直接的な質問で得られることはめったにない。

あんまり責めちゃいかんとゆうことか。