癌のターミナルケア


本人のみ意思確認0.8%=家族の意向優先半数近く−末期がん治療現場・厚労省
末期のがん患者に対し、医師が治療方針を決める際、患者本人の意思確認だけで十分と考える病院は0.8%にすぎず、半数近くは先に家族の意向を確認していることが14日、厚生労働省研究班(主任研究者・松島英介東京医科歯科大准教授)の調査で分かった。厚労省が今月9日、延命治療の中止は本人の意思決定を基本とすると定めた指針をまとめたが、医療現場では本人の意思より家族の意向が優先されている実態が浮かび上がった。
たしかに本人よりも家族の方が優先されるのは困ったもんだけど、病院側の気持ちもわからんでもない。だって、後で病院側が訴えられるとしたら、訴えるのは患者本人じゃなくて(まず確実に死んでるから)、残った家族の方だもんね。そりゃまあ家族の都合を優先するでしょうな。厚生省の指針を守らせるには、そういう法的リスクから病院側を守る後ろ盾が必要だと思うよ。
あと、家族の意向を確認するときって、本人に告知してるのかね? 告知するかって段階でまずハードルが高そうな。私の父は日本人離れして強靭な信仰心と意志力を持ったクリスチャンで、常日頃から「癌になったら告知しよう」と母と言い合ってたそうなんだけど、実際に末期癌だとわかったときは母も告知を躊躇した。結局告知したんだけど、かなり苦しんでたわ。延命治療中止した後になって「やっぱり治療しておけば」と何度も迷ってた。その姿を実際この目で見てるんで、普通の日本人が告知された上で「延命治療の中止」を自分で決断できるかって言うと、そういう気が全然しないんですけど。とは言え、うちの父のケースでは経口モルヒネとか使って痛みケアとかできてたんで、12年前にしては例外的にうまくいった延命治療中止の成功例だとも思ってます。